
先日水子地蔵について下記のような問い合わせがありました。
お問い合わせメールと返信内容を記載致しますので
当山の考え方と方針を皆様にもご理解していただければと存じます。
お問い合わせ内容------
水子地蔵の管理についてですが、いつ行っても、管理されてる感じが一切ないのですが、実際どうなのでしょうか?
お地蔵さんが何個も下に倒れたままになっていて、かわいそうでした。
また、上の方に行くにつれ、木々で暗くなるうえに、足元が滑るので、年配の方は供養したくても、危なくて行けません。
立派なお寺を構えてる以上、管理も大切な事だと思います。
早急に改善していただきたいです。ぜひ回答をお願いします。
当山からの回答内容------
お問い合わせありがとうございます。
お問い合わせについてお答えいたします。
さて、私が住職になって14年が経とうとしております。
お問い合わせの水子地蔵は昭和40年代以降に建立されたものでございますが、
現在に至るまで建立者から管理料等をいただいたことはございません。
そもそも契約書等も無く、契約や管理義務自体が
どうなっているかもわからない状態であります。
この点は水子地蔵建立時の責任者が、先々のことを考えなかった
(もしくは、考えたけれど考えが足りなかった)結果だと認識しており、
その浅はかさを責められれば、何の言い訳もできないのが現状でございます。
管理されている感じがないとのご指摘ですが、
「出来うる限りのことを行なってこの状態です」
というのがお返事になります。
お供養された方々の気持ちも考えたうえで、
水子地蔵の管理、日々の供養等、出来る事はやってまいりました。
管理としては草刈り、がけ崩れの土砂の撤去、
水の配管の修理・やり替え等でここ10年だけでも数百万円かかっております。
前述した通り管理料がないため、全て当山の手出しでございます
(春秋のお彼岸とお盆のお供養料は除きます)。
しかし手出しと言いましても、
そもそもそのお金は皆さまの浄財です。
お寺は行事にご参加くださりご祈願やご供養をされ、
寄付してくださる皆さまのおかげで護持運営出来ております。
そういった皆さまからの浄財を、
数十年間管理料を収められていない一部の方の水子地蔵の
管理のために使用すること自体、本来問題があったと考えております。
また水子地蔵に関してはお墓と異なり、
1代限りの供養となることが多いものです。
700体近くある水子地蔵の中で、建立者と連絡がつくのは
100件にも満たないのが現状です。
今後崖崩れを防止し、お参りしやすい通路を確保するなど
一帯を整備するために、数千万〜億単位のお金をかける必要性を考えると、
やはり優先順位としては大変低いと言わざるを得ません。
匿名希望様のように管理についてご意見・ご質問をなさる方も過去におられましたが、
同様の説明をさせて頂き、納得されるか、
ご自身で水子地蔵をお持ち帰りになってお供養なさっておられます。
今後自分たちでお供養が出来なくなるのでとお供養料を収めて行かれた方もおられます。
なお、私が住職になってからは上記のような事情から、
水子地蔵の新たな建立はお断りしております。
今後に関してですが、
将来的には現在残っている旧本堂を解体し、周りを整備したうえで、
水子の親地蔵様のみをそちらに移動してお参りできるように計画しております。
また個々の水子地蔵様に関しては
お供養は続けてまいりますが、定期的な草刈りや整備・管理は行わず、
将来的には事故防止の観点から立ち入り禁止区域に設定する予定です。
それでは困るとおっしゃる方には、
契約の場所、連絡先等を寺務所に申し出ていただき
今後のことをご相談できればと思います。
こちらも前述いたしましたが、水子地蔵を持ち帰り、
ご自宅で毎日の供養をなさることも一案かと考えます。
色々ご意見はあろうかと存じますが、
今後寺院経営はますます厳しい時代になってまいります。
お不動様を信仰下さる多くの皆様の浄財を、
一部の水子地蔵建立者様の為に使用するのは問題があると考えますので、
皆様のご理解ご協力をお願いいたしますm(__)m
成田山不動寺
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長文の記事となってしまいましたが、
当山といたしましては上記のように考えておりますm(__)m
来月は桜も開花しますのでお花見方々ご参拝くださいませ。
福岡県遠賀郡岡垣町
成田山不動寺
住職 紙上義全
この度は、当ホームページにお越しいただき、誠にありがとうございます。
納骨堂での永代供養・厄払い等各種御祈願・御供養承っております。